短頭種とは、頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが極端に短い犬種のことで、いわゆる鼻ペチャのワンちゃんを指す名称です。パグ・フレンチブルドック・シーズー・ボストンテリアなどに代表されます。短頭種のワンちゃんは、その頭の構造から呼吸器系の疾患になりやすく、短頭種によく見られる呼吸器疾患を総称して短頭種気道症候群と呼びます。

  • パグ

    パグは眼球の突出が大きく、目のトラブルを起こしやすい犬種です。瞬きで瞼が完全に閉じきらないことがあり、ドライアイや涙やけの原因となります。瞼が内反していたり鼻の上のしわが当たることで目に色素沈着を起こしたりします。
    また、皮膚の疾患も起こしやすく、特に顔のしわが深いため汚れが溜まりやすくなっています。定期的なシャンプーと共に、清潔なタオルやコットンでしわの中まで拭いてあげることをお勧めします。

  • フレンチブルドック

    フレンチブルドックは特に皮膚の疾患を起こしやすい犬種です。若齢から発症しやすい、重症化しやすいなどの特徴があり注意が必要です。アトピー性、アレルギー性など原因は様々ですが、多くは春~秋に悪化しやすく、顔のしわ、足裏、指間に多く発生します。
    また、フレンチブルドックは立ち耳ですが、脂漏体質なため垢が溜まりやすく、外耳炎を起こしやすい犬種です。

  • シーズー

    シーズーは顔の構造から鼻涙管の閉塞を起こしやすいことがわかっています。鼻涙管とは目と鼻をつなぐ管のことで、閉塞すると目の下が常に涙でぬれる原因となります。目の下が常に湿っていることで皮膚病の原因にもなります。
    また、眼球の突出が大きく毛も長いため、角膜に傷がつきやすくなっています。 暑さに弱いため、熱中症などにも注意が必要です。

  • ボストンテリア

    ボストンテリアは膝蓋骨脱臼を起こしやすい犬種です。膝蓋骨脱臼はいわゆる膝のお皿のことで、ボストンテリアではお皿が内側に外れる内方脱臼が多くみられます。体重の増加や高いところの上り下り、滑りやすい床などには注意が必要です。
    また、ボストンテリアでは耳や首から胸にかけて、足の内側などに炎症を伴わない脱毛がみられることがあります。生後2~3ヶ月で正常よりも薄くなり、6か月以降から徐々に進行していきます。

短頭種気道症候群
短頭種気道症候群とは、特徴的な頭の構造によって短頭種に起こりやすい呼吸器疾患の総称で、以下のような原因があります。

・外鼻腔狭窄
 鼻の穴が狭く、ほぼ塞がった状態。
・軟口蓋過長
 喉の近くにある鼻と口を隔てる蓋状の組織(人で言ういわゆるのどちんこ)が長すぎる。
・咽頭部組織の過剰
 太い舌根部や大きな扁桃

これらの症状がひとつ、もしくは複数起きることで吸気性の呼吸困難が生じます。
根本的治療には、鼻を切って鼻腔を広げる手術、軟口蓋を切除する手術など外科的治療が必要になります。

短頭種気道症候群の外科的治療
この病気の治療には下の2つの手術を組み合わせて実施することが有効です。

 ○ 外鼻孔形成術・・・狭く閉じている鼻の穴を広げる手術です。
 ○ 軟口蓋切除術・・・垂れ下がって気道をふさいでいる 軟口蓋を切り取る手術です。